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SPICE-Kiss

江戸の可愛らしい化物たち@Re:gendo

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先日、西荻窪にある古民家を再生したとても趣のあるレストランで、アメリカ人の日本文学研究者で、江戸の化物(妖怪)研究の第一人者でもあるアダムカバットさん(武蔵大学教授)の江戸の可愛らしい化け物の魅力についてのお話と、美味しい創作和食のご飯をいただける、Re:gendoの趣向を凝らした夏の夜のイベントに参加してきました。

Re:gendoは、主に島根の食材を使った創作料理を得意としており、島根の美味しいご飯がいただける都内では数少ない島根料理のお店です。

この日は、江戸の化け物に縁のある食材を使ったベジタリアンコースでした。
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まずはみかんジュースで喉を潤して。
グラスには丸い大きな氷が一つごろんと入っていて、この氷が同じみかんジュースで出来ているので、氷が溶けても薄まらず、
むしろ嵩が増す嬉しい工夫が。
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先生がユーモアたっぷりにお話を進めてくれるので、江戸の化け物たちが滑稽で可愛らしく、帰る頃にはすっかり化け物に愛着が湧いちゃいました。
黄表紙(江戸後期の機知と洒落に富んだ大人向けの漫画本)には、化け物が度々登場しますが、それだけ化け物が日常的な存在になっていたようです。
一口に化物といっても、かっぱやろくろ首など化け物界の人気者の他に、化け物があらゆるものに、たとえば野菜や家具、調理器具に扮して、ちょっとおどけてみせる姿はとても可笑しいです。
江戸っ子にとっては、化け物は怖いものではなくむしろ笑いの対象だったんですね。

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そして先生所有のお宝の品々の展示もありました。
どれも化け物が描かれています。
昔懐かしい黄桜のCMのカッパの本まで! 
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お料理は、かっぱの好物きゅうりや、豆腐小僧にちなんだ豆腐料理に、鬼娘の好きな瓜など、化け物の好物が随所に盛り込まれてます。
素材の味を上手に引き出した身体に優しい料理は、どれも美味しかったです。
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江戸時代の有名な諺で、「野暮と化け物は箱根から先」 これは江戸の町
は都市文化の花が開き、江戸にいれば化け物など怖くないといった江戸っ子の精神つまり江戸自慢を表現しているそうです。
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化け物を我が子のように可愛がっている先生はほんとチャーミングな方でした。
by spice-kissed | 2012-07-23 20:11 | あど街っく